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日本初の文化財ホテル「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」オープンのご案内

築約300年の県指定文化財「大庄屋 三木家住宅」を改修したホテル「NIPPONIA播磨福崎 蔵書の館」のメインエントランス

 

 

―「日本初の文化財ホテル」公民連携プロジェクト―

 

2020年11月1日(日)、兵庫県福崎町に県指定文化財「大庄屋三木家住宅」および国登録有形文化財「旧辻川郵便局」を活用したホテル「NIPPONIA播磨福崎蔵書の館」がオープンしました。

 

国及び都道府県の指定文化財がホテルや旅館に活用されるのは、全国初です。

 

2019年に(株)PAGEが福崎町所有の三木家・旧辻川郵便局の指定管理を受託し、約300年前江戸時代中期に建てられた当時の趣そのままに、宿泊(客室7室)、レストランなどを備えた複合型ホテルとしてリノベーションしました。

 

修繕・改修工事費用などイニシャルコストは(株)PAGEがすべて負担し、ホテル・レストラン事業で回収することで、自治体の財政負担ゼロを実現しました。
また、福崎町からの指定管理料ゼロで運営することにより、自治体が負担する文化財の日常の維持管理コストを大幅に軽減しました。

 

ホテルの運営はウェディング事業などを手掛ける株式会社レック(本社神戸市)が行います。

 

柳田が幼少期を過ごした「三木家住宅」を活用し付加価値の高い文化財の魅力発信を行うことで、滞在型観光の需要創出に繋げるとともに、収益事業の実施により文化財を後世に繋げていく文化財活用の「福崎モデル」確立を目指します。

 

関連ブログ:県指定文化財 大庄屋三木家住宅 ビフォーアフター

 

 

三木家で本を読みふけった柳田國男の少年期を追体験できるよう全室に本棚を設えた。(写真:改修後の離れ)

 

 

―福崎町と「大庄屋三木家住宅」―

 

兵庫県南西部にある福崎町は、日本で初めて妖怪を研究した日本民俗学の父・柳田國男の出身地という縁から、「妖怪の息づくまち」をテーマに観光振興に取り組んでおり、ユニークな妖怪コンテンツが話題となっています。

 

また、古くから交通の要衝として賑わい、生野銀山と姫路の港「飾磨津」を結ぶために整備された街道「銀の馬車道」は福崎町の発展に寄与しました。

 

その銀の馬車道沿いに位置する「大庄屋三木家住宅」は、姫路藩の大庄屋で地域の政治・文化の中心を担った三木家の屋敷でした。主屋、副屋、離れ、内蔵、酒蔵、角蔵、など9棟の建物から構成され、建築当時の姿をよく残した貴重な文化遺産です。

 

この三木家住宅は、柳田國男が11歳の時に預けられ学問の礎を築いた場所でもあります。

「同家の裏手にいまも残っている土蔵風の建物の2階8畳には、多くの蔵書があった。(中略)読み放題に読んだのだが、私の雑学風の基礎はこの1年ばかりの間に形造られたように思う。」

(柳田國男著 『故郷七十年(幼時の読書)』より)

 

三木家住宅のなかで最も古い内蔵(1697年築 写真:改修後)。

 

 

―三木家活用プロジェクトについ

 

福崎町の歴史文化の象徴である三木家住宅は、2004年に福崎町所有となり主屋の修繕を行いました。しかし、残りの建物の修繕を行う財政的余裕がなく、文化財の修繕や維持管理にかかる膨大な費用をどう捻出するかが課題でした。

 

そのような状況の中、2018年に文化財保護法が改正され、文化財を「展示保存」から「まちづくりの核として活用」し、保全費をまかなうための事業を行うことが可能となりました。

 

この法改正を受けて、2019年4月に福崎町、神戸新聞社と(一社)ノオトの三者による福崎町文化観光まちづくり協議会が発足し、「柳田國男を形造ったまち。古きを大切に、新しい暮らしを学び、つくるまち」をコンセプトに公民連携の三木家活用プロジェクトがスタートしました。

 

三木家住宅は三木家の人々の生活の場であったことから、当時の趣を残す空間で寝食するといった「暮らしの体験」をしてもらうことが、この建物の価値を現代に伝える最良の方法だと考え、ホテル・レストランにとして活用することが決まりました。

 

 

改修前

 

改修後

 

 

現代に伝える文化的価値

 

ホテルの名前の「蔵書の館」は、柳田が三木家で膨大な蔵書を読みふけったエピソードにちなんだものです。

 

「本を楽しむ」をテーマに、客室には時計やテレビは置かず本棚を設置。民俗学や怪談、妖怪、日本の伝統的な暮らしなどをテーマに事典や図鑑、評論、小説、絵本など幅広く500冊が並びます。

 

古き良き日本暮らしが営まれていた空間で、本に浸り、地産地消のフレンチを楽しむ。三木家住宅の魅力や価値を現代に伝えることを目指します。

 

天井の高いダイナミックな空間の米蔵。天井まで届く壁面本棚は圧巻です。

 

 

さらに、運営会社のレックの強みを生かし、ウェディング会場としての利用も行います。通常は展示施設として公開している主屋も一体的に活用し、一棟貸しでのウェディングなど、三木家でしかできないプランをご提案します。

 

 

より多くの人が三木家住宅を訪れ、その歴史や魅力に触れる機会ともなり、福崎の歴史資源を後世に繋ぐ。

福崎町の地域活性化に貢献するとともに、地域の方々に地元の歴史に興味を持ってもらい、誇りと親しみを持ってもらえるような場づくりを行っていきます。

 

ホテル宿泊についてはNIPPONIA播磨福崎蔵書の館のサイトをご覧ください。

「NIPPONIA播磨福崎蔵書の館」公式サイト

 

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